綱の上の天使

綱の上の天使

初めて知った自分の狂気を涙でごまかし
貴方に拐されないように正気を取り戻す

震える私の横を時が通り過ぎる
時を止めた貴方を目に焼き付ける

貴方の声も視線も私には心地良すぎて
こんな暖かい場所じゃ一人になれない

夢見てた貴方は恋するように歩きだす
存在を耐えるように其処に立っている

貴方の後ろを私は歩けない
背中を見送り祈っているよ
いつでも今が最期かもしれないと
思って貴方の帰りを待ってるよ

存在をかけて
風に願ってる

覆いかぶさる大きなビルたちが私は怖かった
貴方はその上を往く小さな天使だった

覚えてることより忘れることは多いけど
貴方は忘れることのない景色を作った

いつでも私は貴方を見上げてた
貴方は優雅に空を歩いてた
追いつけない私に降りてきてくれる 届かない天使を愛してしまった

笑いかけないで
泣いてしまう


戻る